幼い頃「泣くな!」ってよく叱られました。
無理矢理泣くのを堪えると
しゃくり上がって来るんですよね。
で、それに対してもまた
「泣くな!」と怒鳴られる。
これ以上叱られたくない恐怖で必死で体に力を入れてしゃくり上がってくるのを押さえ込む。
心の中で「どうしよう。止まらないよ。おさまれ~」って思いながら。
何故泣いちゃいけないのか?
何故子どもの泣き声に苛立つ大人がいるのか?
親子ひろば桜梅桃李の柳谷和美先生から学びました。
その理由は戦争にあるのだそうです。
ある日突然赤紙と呼ばれた徴兵命令を受け取ります。
明日から人を殺してくださいと言われているのと同じです。
殺さなくては自分が殺されるのです。
ずっと死に直面するのです。
それなのに
「お国のために」と喜んで出向かねばなりません。
逃げれば捕まり罰を受けます。
家族は「非国民!」と言われ非難の対象になります。
そうなれば本人もその家族もその土地で暮らして行くことは困難です。
食べることすらままならない生活なのです。
その上に村八分にされるなんて生き残れません。
家族たちは『バンザイ!』と言って大切な人を喜んで戦地へ送り出さなくてはなりません。
泣いてはいけなかったのです。
泣くこと、悲しむことは非国民であり許されることではなかったのです。
泣いては生きていけなかったのです。
大切な人が戦地で死んだ時は
「名誉の戦死」と言って喜ばなくてはなりませんでした。
泣いてはなりませんでした。
そして、私も我慢してるのだからあなたも我慢して当然!
という流れが出来上がってしまう。
私はこんなにも我慢してるのにあなたが我慢しないなんて許さない!
その怒りは「非国民!」と相手を攻める行動になる。
皆本当は怖かった。
泣きたかった。
悲しかった。
皆がその感情を押さえ込んでいたのですね。
そうしなければ生きていけなかったのですね。
私は戦争を体験していませんが戦争の名残を受けていました。
「泣くな!」という言葉で。
だから自分の子どもが泣いたら敏感に反応していたんですね。
幼い頃の私は泣いちゃいけなかったから。
潜在意識の中に泣くことはいけないと記憶されていたからですね。
その時の感情は泣くのを堪える為に体に力を入れるという反応とともにまだ残っていました。
もうこの先祖代々の負の連鎖は私の代で止めたいと思います。
小さな子どもを泣かせまいと焦っているお母さん。
泣き声に過度な不快感を感じられる方。
あなたもあなたのお父さんやお母さん、
そしておじいちゃんやおばあちゃんも
泣いちゃいけなかったのかもしれません。
もう大丈夫ですよ。
大人も子どもも泣いていいんだよ。
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